理念と目的

 原子力政策大綱策定から5年が経過し、社会の諸事情にも大きな変化が見られている。原子力コミュニティはその本質から見て社会のサブシステムであり、社会変化を顧みて、根底から見直すための討議を新しい討議の枠組みの中で行う必要性がある。そうした討議を先導する場として、私たちは「原子力政策円卓会議2010」というフォーラムを組織した。

 円卓会議では、多様なステークホルダーが個人として集まり、原子力研究開発利用に賛成、反対、保留の立場を超えて議論を進める。そして、事実と論理と合理に基づいた議論を目指し、原子力政策が直面している課題や政策アジェンダを幅広い立場から洗い出すことを目的とする(政策の合意ではなく、政策論点の合意を目指す)。会議は、少なくとも原子力政策大綱改定作業が終わるまで、活動を継続する予定である。

世話人 (※50音順)
飯田哲也(特定非営利活動法人 環境エネルギー政策研究所)
澤田哲生(東京工業大学)
長崎晋也(東京大学)
吉岡 斉(九州大学)

▼参加者の構成

 円卓会議の企画・運営に責任をもつ4名の世話人が、それぞれ円卓会議メンバー候補者を推薦し、他の世話人の承認を得て会議に招待する。

 メンバーは、原則として、今後少なくとも10年程度にわたって、原子力政策に責任をもって関与しうる当事者が、個人の立場で参加するものとした。また可能な限り多様なステークホルダーが参加できることを目指した。参加者の構成においては、原子力事業拡大に対する大枠的な賛成、反対、保留のいずれの立場の者もが突出しないようにバランスをとるよう心がけた。

 実際の参加メンバーは、政治家、中央政府官僚、研究者(大学、研究機関)、NPO(環 境系、脱原子力系)メンバー、弁護士、会社経営者、地方政治家、地方行政官、シンクタンク研究員、 作家、アーティスト、ジャーナリストなど約30名である。現時点では以下のような仕事に従事する方々の参加を、まだ得られていない。ファイナンス専門家、投資家、電気事業 者の社員、プラントメーカーの社員、原子力推進寄りの民間シンクタンクの研究員、外務省系の官僚などである。さらにメンバーの充実をはかり、その多様性を高めていく必要がある。

▼会合の基本的なルール

  • 最終的に合意された文書以外は、中での議論や発言などは口外・引用しない「チャタムハウス・ルール」とする。本人が希望すれば参加者名からも外す。国の原子力政策の直接的な当事者(大臣、原子力委員会委員等)は、原則として、内容に干渉しない「オブザーバー」の立場での参加を認める。
  • 推進・消極・否定の立場を超え、事実と論理と合理に基づいた議論に徹するとともに、お互いの立場や発言を尊重した姿勢での議論に努めるものとする。
  • 会議の成果は、参加者のレビューを得つつ世話人の責任で取りまとめ、適切な方法・表現等で公表(世話人による公開シンポジウムなど)するとともに、原子力委員会等政府に論点提案を行う。